「30代の転職に有利な資格にはどんなものがあるのだろう」
「転職に有利な資格を取りたいけれど、何を選べばいいのかわからない」
転職を検討している人の中には、このような悩みを抱えている人もいるでしょう。
本記事では、転職を考えている30代の方に向けて、転職に有利なおすすめ資格10選と資格の選び方について紹介します。
理想の職場に転職するために活動を検討している方はぜひ参考にしてください。
資格保有者が30代の転職に有利な理由
ポテンシャルに期待されて採用される20代とは違い、30代の転職では企業側は即戦力や専門性を重視する傾向があります。そのため、「これまで何をしてきたか」「どんなスキルがあるか」が選考のポイントになります。
実際に、厚生労働省が令和2年に行った「雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」では、転職者の採用理由として経験と専門知識・能力が多く挙げられていました。
転職者を採用した理由(複数回答) | ||
職種 | 専門知識・能力があるから | 経験を活かし即戦力になるから |
管理的な仕事 | 40.7% | 62.3% |
専門的・技術的な仕事 | 52.7% | 66.1% |
事務的な仕事 | 17.5% | 42.0% |
参照:厚生労働省|雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)
このような現状をふまえ、転職に有利となるのが「資格」です。
実務経験と資格を掛け合わせることで、採用側から見ても分かりやすい強みとしてアピールできます。未経験の職種や異業種への転職を目指す場合には、資格が「業界で働く意欲がある」という点の後押しにもなります。
即戦力として求められる30代だからこそ、これまでの経験に資格をプラスして「選ばれる人材」を目指しましょう。
30代におすすめの転職資格10選
30代の転職では、資格の有無が選考結果を左右することも珍しくありません。
ここでは、30代が転職市場で評価されやすい10種類の資格について活躍が期待できる転職先と一緒にご紹介します。
日商簿記(2級以上)
事務や経理職などの転職に有利な資格が「日商簿記」です。
1~3級まであり、特に2級以上は3級の出題範囲にはない「工業簿記」が含まれています。工業簿記とは、主に製造に関わるコストについて記録・計算する技能のことです。
1級はより専門的な会計知識が必要で、経理部門でのキャリアアップや大手企業の経理職に就く際に有利に働きます。
日商簿記の2級以上は「未経験でも可」と募集している求人もあるため、別の職種から事務や経理職への転職にも有利な資格です。
FP技能士(2級以上)
FP技能士は、保険・金融・不動産などで顧客の資産設計に関わる仕事に有利な資格です。
日商簿記と同様に、1~3級まであります。2級以上になると、個人資産だけではなく中小企業の資産に関わる相談業務にも対応できる知識が必要です。
FP技能士2級以上を取得すれば、法人のクライアントに関わる業務での活躍が期待できるため、転職で有利に働きます。
社会保険労務士
社会保険労務士は人事・労務の管理を行う職業で、企業の総務部門や社労士事務所での活躍はもちろん、開業して顧客を持つことも可能です。
誰でもなれるわけではなく、試験に合格して国家資格を取得する必要があります。
また、労働保険や社会保険の書類作成や手続きの代行、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類などは社労士の独占業務です。
働き方の変化に伴う雇用制度見直しの動きもあるため、人事・労務の知識がある社労士は需要が高い資格の一つです。
行政書士
行政書士は、官公署に提出する許認可等の申請書類や遺産分割協議書のような権利義務に関する書類などの作成、手続きが代理で行えます。
企業の法務部門や行政書士の事務所などでの活躍が期待できる国家資格で、独立も可能です。法律関連の資格の中でも比較的難易度が低いと言われています。
他の法律関連の資格に必要な知識も学べるため、さらに別の資格取得にもチャレンジしてキャリアアップが望める資格です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業支援法に基づく国家資格で、経済産業大臣に登録される経営コンサルタントの専門家です。
企業の成長戦略の策定・実行の支援を行い、行政や金融機関との連携役も担います。幅広い経営知識を活かす資格であるため、コンサルティング業界や企業の経営部門などで重宝される資格です。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産契約時の重要事項の説明といった法律で定められた独占業務を担う国家資格です。
不動産会社には宅建士の配置義務があり、資格保有者は採用時に有利に働くことがあります。他にも不動産に関する知識が身につくため、金融業界や不動産を所有する一般企業への転職にも役立つ実用的な資格です。
土地家屋調査士
土地家屋調査士は、土地や建物の境界や面積を正確に測量し、不動産登記の代理などが行える国家資格です。取得後は土地家屋調査士事務所や測量会社への転職が見込めます。
現場とデスクワークの両方をこなす専門職で、将来的な独立や安定収入も目指せます。「土地家屋調査士白書2024」に掲載されている土地家屋調査士の年代構成を見ると、40〜70代が多くを占めており、年齢を重ねても続けられる仕事であることがわかります。
未経験からでも取得可能で、手に職をつけたい方やキャリアアップを目指す方に人気の資格です。
参照:日本土地家屋調査士会連合会|土地家屋調査士白書2024
医療事務
医療事務は、診療報酬請求や受付業務など医療現場を支える職業です。資格がなくても採用されることもありますが、医療事務の資格があると転職に有利です。
「医療事務技能審査試験」や「医療事務管理士」など複数の資格があるため、自分にあった難易度の資格を選んで取得を目指しましょう。
初めて医療事務に挑むのであれば、基礎知識が学べる「医療事務認定実務者」がおすすめです。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、働く人の職業選択やキャリア形成を支援する国家資格です。相談業務や人材育成、キャリア設計のアドバイスなどを行います。
企業の人事部門やハローワーク、大学や専門学校といった教育機関など幅広い現場で活躍が期待できます。国家資格であるため信頼性が高く、転職や再就職でも専門性をアピールできるのが強みです。
キャリア支援や人材分野での活躍を目指す方におすすめの資格となっています。
MOS(Microsoft Office Specialist)
WordやExcelなど、業務で頻繁に使用するソフトの操作スキルを客観的に証明できる民間資格です。事務職を初めとしたさまざまな職種で使えるパソコンスキルの証明としてアピールできます。
WordとExcelには、一般レベルと上級レベル(エキスパート)があり、一般レベルに合格していなくても上級レベルに挑戦が可能です。
30代の転職に有利な資格の選び方
転職に有利な資格なら「何を取得しても良い」というわけではありません。
資格は、自分に合ったものを選んで転職に活かすことが大切です。
ここでは、30代が転職のために取得する資格の選び方について紹介します。
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自分のキャリアプランに合った資格を選ぶ
取得を目指す資格は「自分で考えたキャリアプランに合っているかどうか」を確認したうえで選びましょう。
キャリアプランとは、働き方や仕事の将来像に向かってどのようにキャリアを重ねていくかを具体的に計画したものです。キャリアプランに合った資格であれば、知識を活かすイメージがしやすくなるため、勉強中のモチベーション維持につながります。
「一般企業の経理職で働きたい」なら日商簿記、「人事・労務の専門家を目指したい」なら社会保険労務士のように、転職後の希望職種やキャリアの方向性に沿った資格を選ぶことが大切です。
希望する転職先でニーズのある資格を選ぶ
どんなに努力して資格を取得しても、希望する業界や職種で需要がなければ転職につながりません。あらかじめ転職サイトなどで希望する転職先で需要がある資格についてリサーチしましょう。
また、資格そのものに将来性があるか確認することも重要です。医療や福祉系は高齢化に伴い需要は今後も見込まれ、独占業務がある法律系は、AIでの代替えが難しい資格だと言えます。
確保できる勉強時間で取得できる資格を選ぶ
資格によって必要な勉強時間や学習期間は大きく異なります。例えば、1日1時間の時間が確保できる場合、300時間の勉強が必要な資格であれば取得まで約10ヶ月かかる見込みです。
1日や1週間で確保できる時間から計算して、取得までの要する期間をあらかじめ確認しておくと、取得できるかどうかの判断につながります。
自分のライフスタイルに無理なく合ったスケジュールを組むことが、勉強を継続させるためのポイントです。働きながら資格取得が可能か検証したうえで、選びましょう。
自身に適した資格を選んで30代の転職を成功させよう
転職市場で30代に求められるのは即戦力です。さらに、専門知識や能力がアピールできると転職に有利になります。
転職に有利と言われている資格はさまざまありますが、自分のキャリアプランに適したものを取得するのがポイントです。
自分のキャリアを見つめ直して武器となる資格を選び、30代の転職を成功に導きましょう。
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